この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
籠の中の天使
第23章 戦い



「しっかりしろよ。」


お腹に響く声がして私の身体がビクンと勝手に反応する。


「ノア?」


私の目の前には紅い炎が2つ見える。

それは怒りの炎だ。


「ごめんなさい…、ごめんなさい。」


ノアにもいっぱい迷惑を掛けたと思う。


「黙れっ!馬鹿…、午後から親父が会見する。その会見にお前の未来も含めて全ての人の未来がかかってる。ピーピー泣いてる暇があるなら、しっかりと親父の会見を見てろっ!」


かなり乱暴な言葉で捲し立てるノアが手荒な扱いで私をテレビの前にあるソファーへと座らせる。


「まあまあ…、ノア君。咲都子からすれば気が気じゃないし…。」

「南斗さんが甘やかし過ぎなんですよ。」

「この件に関しては、俺は何も出来ない男だからね。」

「例のリークは南斗さんの予想通りだって親父から伝言…。」

「やっぱりかー…。」


私に見えない話を南斗とノアがしてる。


「2人共…、何の話をしてるの?」


私の質問にノアが目を逸らす。


「南斗っ!」


流石に南斗の方は私からは目を逸らす事はなく、息を吐いてからゆっくりと話をする。


「こういう状況になる可能性はノア君が予測してたんだ。」


南斗がノアをチラ見する。


「ノアが?」


私の質問にノアが観念したように説明する。


「言っただろ。俺は咲都子と居る間、全てを南斗さんに報告をしていた。咲都子がデビューすれば、何らかの形で咲都子があの街の子だと露見する可能性は充分にあるって事も話をしてる。」


ノアの言葉を引き継ぐように南斗が言う。


「咲都子の両親を中心に、持田病院の人達も料理組合や各妓楼の女将さん達も咲都子のデビューであの街の姿が公になっても受け入れる覚悟を決めたんだ。あの日、誰もが咲都子を救えなかった事を後悔した。だから今度は咲都子の為にどんな結果になっても咲都子を守ると皆んなが協力してくれている。」


あの街が私を傷付けているとばかり考えていた。


/339ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ