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籠の中の天使
第23章 戦い
そんな厳しい現実を受け入れながら前に進むしかない。
あの街の子であってもイメージを崩す事はないのだと思わせるだけの仕事を積み重ねていくしかないと岡田さんが言う。
「どんな仕事でもやります。」
「そういう事は言っちゃ駄目っ!」
岡田さんに怒られた。
「駄目…ですか?」
「そうよ。そんな事を言ったら、なら水着に…次は脱いで…って簡単に言う仕事ばかりが来るようになっちゃうの。社長からは『あの街の子』ってイメージだけで面白半分な仕事が来るから絶対に受けるなって言われてる。」
「ノア社長が…。」
「会社としては大事に育てたいのよ。だから、絶対に何でもやりますとか言わないでね。」
「わかりました。」
「大人はね。狡くて汚いの。咲都子ちゃんみたいに汚れてない子を汚したくて仕方がないのよ。」
「岡田さん…。」
なんか…、ちょっと怖いなと思うけど岡田さんの興奮は簡単には治まらない。
「仕事中は絶対に一人にならない事。ジュースでも何でも欲しい時は私に言う事。変なおじさんがお菓子をあげると言っても絶対に着いていかない事。」
「そこまで…子供じゃないです…。」
「この業界の大人はとにかく怖い人ばかりなの。ノア社長だって例外じゃないと思いなさい。」
「流石にノア社長は…。」
「甘いっ!あの人、奥さんが居るくせに、会社の半分くらいの女子を口説いてるって噂があるんだから…。因みに息子もかなりのプレイボーイで有名だからね。」
まさかとは思う。
でも、前にノアが自分で女の子に不自由はしてないとか言っていた事を思い出す。
岡田さんの言葉に子供の私は混乱する。
まだまだ子供の私だから、家に帰ると不思議そうな顔をする南斗に必死にしがみつくので精一杯だった。