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籠の中の天使
第3章 学校嫌い



「私の?」

「そう…、塚本先生も焦り過ぎだし、持田先生ももう少し相原さんを信じてあげるべきだと思う。」

「持田先生は…。」

「ねえ、相原さん…、教室は誰も貴方を傷付けたりしないわ。貴方がほんの少しだけ勇気を出せば、きっと普通の学生生活が送れるようになる。その一歩を踏み出すのは凄く大変だけども貴方はそんなに弱い子じゃない。貴方の勇気を持田先生は信じて送り出すべきだと私は思うの。」


早月先生がそこまで言うと保健室の扉が開いて南斗が入って来る。

慌てて私が口を噤めば、早月先生は


「さて、連休明けは中間考査だし、連休中の課題プリントもたくさん出てるから今日の相原さんは忙しいわよ。」


と何事も無かったように私の前にプリントを並べ出す。

やたらと多いのは数学と世界史と英語のプリントだ。


「数学は午後から山科(やましな)先生が見てくれるからね。」


早月先生が一方的に話し、私は頷くだけ…。

南斗は私と早月先生に背を向けたまま、自分の机で仕事をしてる。

世界史の宿題はテスト範囲になるプリントの丸暗記だから連休中にやればいい。

英語も長文翻訳でテスト範囲…。

だから今日は古典と数学だけを学ぶ。

とはいえ、マンツーマン授業だと私が理解してると判断された段階で終わっちゃう。


「昼まではのんびりとテスト勉強をすればいいわ。」


私に教えなければならない範囲だけをきっちりと教えてくれた早月先生が保健室から出てく。

まだ教室だと2時間目が始まったばかりの時刻…。


「朝飯…、食ったのか?」


世界史のプリントに書き込みをする私に南斗が聞いて来る。

黙って横に首を振れば、南斗が自分の鞄からコンビニで買って来たおにぎりを出して私の前に置く。


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