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籠の中の天使
第3章 学校嫌い



千紗先生は嫌いだ。

そう思う私は南斗に背を向けて保健室に向かって走り出す。


「相原さんっ!」


私の背中に千紗先生の声が突き刺さる。


嫌だ…。

嫌だ…、嫌だっ!

学校なんか大っ嫌い…。


保健室に飛び込んで扉を乱暴に閉めると驚いた表情で私を見つめるおばあちゃんが居る。


「どうしたの?相原さん…。」


古典の早月(さつき)先生だ。

定年が近いって噂の先生…。

とても優しくて授業も丁寧だから学生に人気があるって南斗が言ってた先生だ。

この穏やかな先生とは私も少しは話が出来るから週に2回は私の個人授業を引き受けてくれてる。


「千紗…先生が…、教室に…来いって…。」


涙が浮かんで来た。

早月先生が慌てて私に駆け寄って来る。


「持田先生は?」

「持田先生は…、もう少し…時間が必要って…。」


たかが教室なのに未だに行けない私が悪いのだと学校から責められてる気分になる。

泣き出した私の背中を早月先生が擦りながら軽く抱き締める。


「塚本先生はお若いから…、焦っちゃっただけですよ。大丈夫…、相原さんはまだ高校生なの。焦らなくても大丈夫…。」


おっとりとした早月先生の声に少しだけ心が晴れて来る。


「私…、教室に行かないとダメですか?」


それが南斗の為になりますか?

ベテランの早月先生に聞きたくなる。


「そうね…、友人の事で悩んだり、笑ったり怒ったり…、そんな事が出来るのは学生の特権なの。社会に出たら自分の事だけで精一杯になるのが現実だと私は思う。だから相原さんにも学生のうちにしか出来ない経験をして欲しいとは思う。」


教室に行くのも行かないのも、どちらも私の為だと早月先生が言う。


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