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籠の中の天使
第5章 間違ってもいい…
南斗が私の背中を押す。
「大丈夫…、咲都子なら頑張れる。」
皆んなに聞こえない声で私を励ます。
私は小さく頷く。
「とにかく、相原さんの具合が悪そうな時は相原さんに声を掛けずに保健医の持田先生を呼ぶようにして下さい。」
北斗さんが私に対する対応を話してから教室から出て行く。
「相原さんの席はそこよ…。」
窓際から2列目で前から3番目の席に千紗先生が私を座らせる。
腕組みをする南斗が教室の後ろから私を見張る。
窓側から私の机にメモが置かれた。
『私…、杉山 瑠奈(るな)…仲良くしてね。笑』
メモにはそう書かれてる。
窓の方を見ると女の子が笑顔を私に向けて
「よろしく…。」
と言う。
何て答えて良いかわからない。
私の前に座る女の子もチラチラと私の方へ振り返る。
反対側の隣は男の子…。
目が合うとニッと笑って
「峯岸 潤(みねぎし じゅん)。一応、クラス委員長だから、わからない事があったら聞いてよね。」
と小声で話す。
わからない事だらけです。
杉山さんって…、保健室に来てた子かな?
そんな質問は出来ない。
「はーい、それじゃ、修学旅行のグループ分けしますよ。」
千紗先生が言うとクラス中の学生が騒ぎ出す。
「先生、女の子だけのグループでもいいの?」
「人数制限とかあるの?」
千紗先生に質問が飛び交う。
「相原さんは?修学旅行に来るの?」
そんな質問も千紗先生に行く。
「相原さんも来ますよ。ただ、全てのスケジュールに相原さんは参加出来ません。相原さんが疲れない程度で参加する事になります。後はグループの人数は7人の4班が好ましいです。このクラスは28人ですからね。男女は好きにしなさい。」
友達の様な口調で千紗先生は進めてく…。