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籠の中の天使
第5章 間違ってもいい…
女子は11人で男子の方が多いらしい。
「私と瑠奈…、後は理実(りみ)と相原さんかな?」
いきなり名前を呼ばれて狼狽える。
私の席の前に座ってる子が杉山さんとそんな会話をしてる。
杉山さんと目が合うと
「この子、上地 優希(かみじ ゆうき)って言うの。理実は向井(むかい) 理実ね。他の女子は多分7人がもう決まってると思うから相原さんは私達と同じ班でいいよね?」
と聞いて来る。
「後3人は…。」
上地さんが辺りを見渡すと
「俺と達也(たつや)と茂(しげる)でいい?」
と委員長の峯岸君が言う。
「委員長、3人なの?」
上地さんが嬉しそうな表情をする。
「達也が煩いから、他の男子は嫌がるんだよ。」
峯岸君が苦笑いする。
「えー?俺って煩い?」
さっきの茶髪の軽い子が峯岸君に絡む。
「煩いよ。だから部屋決めの時も3人部屋になったんだろ。」
「あれは茂が怖いからだよ。」
「お前のチャラさも怖いって…。」
峯岸君がそう言うと達也って子は
「え?俺って怖い?ねーねー相原さん?俺が怖い?」
と私の顔を覗き込む。
身体が一気に強張った。
息が出来なくなり、手が震え出す。
「そーゆーのがウザいって言ってんだよ。」
凄く身体の大きな男の子が私から達也君を引き離す。
「茂ーっ!ウザいとか言わないでよ。俺だって傷付くんだよ。」
「少しお前は黙ってろ。」
茂と呼ばれた男の子は黙ったまま私を見る。
「保健医…、呼んだ方がよくないか?」
茂君が眉を顰める。
「大丈夫?相原さん…、モッチーを呼ぼうか?」
杉山さんは私を見ずに南斗が居る教室の後ろを見て聞いて来る。