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籠の中の天使
第7章 知られたくない
「俺ら、同じグループだし、一緒にご飯を買いに来たら変か?」
峯岸君が岡村さんを睨む。
「別に…、こんなファーストフードばっかりの売店に保健室から出られないお嬢様が食べれるご飯なんかあるの?」
岡村さんがクスクスと笑えば
「主治医とか居るし、保健医に運転手とかさせて学校の送り迎えまでして貰えるって…、お嬢様が羨ましい…。」
と奈穂ちゃんまでもが笑い出す。
「相原は身体が弱いだけだ。」
峯岸君が私を庇えば
「ああ、そっか、私らみたいに頭の悪い子にイジメられておかしくなっちゃったんだよねー。」
と2人が大袈裟に高笑いする。
この人達を怖いと思う。
人を傷付けても平気な人達…。
こんな人達に私があの街の子だと知られたら私は学校に通えなくなってしまう。
足が震えて手から嫌な汗が吹き出す。
ここから逃げ出したいのに足が竦んで動けない。
喉がカラカラに乾き、吐き気までもが襲って来る。
「委員長もいいの?上地とか放っといて…。」
岡村さんが峯岸君を挑発する。
「上地とか関係ない。」
「嘘…、去年まで上地上地って騒いでたくせに…。」
「岡村…、お前ってそんなだから茂に振られんだよ。」
峯岸君を攻撃した岡村さんが悪いとは思う。
思うけど…。
「なっ!?」
と岡村さんが今にも泣きそうな表情で目を見開く。
「そうやって人の事を詮索する女は嫌いだって茂が言ってた。茂には向井が居るのに岡村がしつこいって聞いたぞ。」
勝ち誇った顔で岡村さんを攻撃する峯岸君も怖いと思う。
峯岸君も私があの街の子だと知った瞬間に、優しい笑顔が消えて岡村さんを攻撃するように私を攻撃するかもしれない。