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きっかけは十人十色
第3章 帰宅後
「ただいまー」
一人暮らし故、誰もいない室内に向かって帰宅の挨拶をした。
履き慣れないピンヒールでふくらはぎが痛む。
もう少しヒールに安定感のあるパンプスにした方が良かったのかもしれない。でも、お洒落には多少の我慢は付き物よね。
イヤリングを外して髪を下ろして、部屋着に着替えて、化粧を落として。開放感と共にだんだんと幼くなっていく自分の姿に、ひとりでに笑みが漏れた。
男性と出かけたことはあるにせよ、今回はデートにはカウントしないけれど、ああいう席はもちろん初めて。
それに、仕事を除いて異性と二人で話をしたのは久しぶりだった。
あれ?私いつから彼氏がいないんだっけ。
コットンに含ませた化粧水を顔にトントン、とする手を止めて、はたと考えた。
…3年?正確には3年半か。
“重いんだよ、お前”
あ、久々に嫌なこと思い出しちゃった。
振られた身だし、未練も何も残ってはいないんだけど、嫌なものは嫌なわけで。
残りの化粧水をパタパタと叩いてしまうと、ソファに身を沈めた。
一人暮らし故、誰もいない室内に向かって帰宅の挨拶をした。
履き慣れないピンヒールでふくらはぎが痛む。
もう少しヒールに安定感のあるパンプスにした方が良かったのかもしれない。でも、お洒落には多少の我慢は付き物よね。
イヤリングを外して髪を下ろして、部屋着に着替えて、化粧を落として。開放感と共にだんだんと幼くなっていく自分の姿に、ひとりでに笑みが漏れた。
男性と出かけたことはあるにせよ、今回はデートにはカウントしないけれど、ああいう席はもちろん初めて。
それに、仕事を除いて異性と二人で話をしたのは久しぶりだった。
あれ?私いつから彼氏がいないんだっけ。
コットンに含ませた化粧水を顔にトントン、とする手を止めて、はたと考えた。
…3年?正確には3年半か。
“重いんだよ、お前”
あ、久々に嫌なこと思い出しちゃった。
振られた身だし、未練も何も残ってはいないんだけど、嫌なものは嫌なわけで。
残りの化粧水をパタパタと叩いてしまうと、ソファに身を沈めた。