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きっかけは十人十色
第23章 触れたくて
とりあえず、目につく部分は大丈夫だと思うんだけど。何となく額に手を当てると、肌がベタつく感じがした。
化粧が崩れているサインだ。直す暇はないので、応急処置としてティッシュを顔の上に乗せて指先と手のひらでそっと押さえて、余分な皮脂を落とした。
一先ずよし、っと。
ティッシュをゴミ箱に入れると、玄関へと向かう。
薄くドアを開いて、ゆっくりと顔を出した。
「ごめんね、お待たせしました」
「ううん、全然。いい?」
ドアを大きく開いて、櫂を迎え入れる。
「どうぞ」
「お邪魔します」
そういえば、自分の家に恋人を入れたことってあったかしら。
思い出せないくらいに古い記憶なのか、そもそもそれがなかったのかが分からない。
「あ、何か飲む?コーヒーとお茶があ、る……」
振り返ろうとしたら、後ろから抱きすくめられた。
さっきとは違う、より力強い抱擁に心が震える。
身体に回された櫂の両腕を包むように、自身の腕をそっと重ねた。
化粧が崩れているサインだ。直す暇はないので、応急処置としてティッシュを顔の上に乗せて指先と手のひらでそっと押さえて、余分な皮脂を落とした。
一先ずよし、っと。
ティッシュをゴミ箱に入れると、玄関へと向かう。
薄くドアを開いて、ゆっくりと顔を出した。
「ごめんね、お待たせしました」
「ううん、全然。いい?」
ドアを大きく開いて、櫂を迎え入れる。
「どうぞ」
「お邪魔します」
そういえば、自分の家に恋人を入れたことってあったかしら。
思い出せないくらいに古い記憶なのか、そもそもそれがなかったのかが分からない。
「あ、何か飲む?コーヒーとお茶があ、る……」
振り返ろうとしたら、後ろから抱きすくめられた。
さっきとは違う、より力強い抱擁に心が震える。
身体に回された櫂の両腕を包むように、自身の腕をそっと重ねた。