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きっかけは十人十色
第28章 繋いだ手
「夕ごはん……作ろうかなって。お腹空いたでしょ?飲みながら待ってて」
「あ、この前のサラダ食べたい。ポテトサラダ」
無邪気に目を輝かせて言うものだから、つられて口元が緩んでしまう。

「うんっ、すぐ作るね」

キッチンに戻ろうとすると、くっと手を掴まれた。
目を閉じる間もなく、触れた唇がリップ音を立てて離される。
「待ってるね」
やたらと色気を感じるのは、数刻前まで触れ合っていたせい。

自分の家なのが少しだけ口惜しいけれど、今度、櫂の家にお泊りしたいってお願いしたらどんな顔するかしら。
甘い期待を秘めながら、櫂との時間がこの先ずっと続くようにと、笑みを深くして頷いた。


〜end〜
→あとがき
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