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きっかけは十人十色
第7章 運命の日曜日
「ごめん、電話貰っ…『あんたね、かかってきたらすぐに出なさいよね。折り返すのも遅いんだから、まったく』
やはり文句が先だった。しかも、こちらが言い切らない内に言葉を被せるという荒業だ。活け花って心を豊かにするとか、そういう精神じゃなかったっけか。
昔からの性格はなかなか根が深い。
『一週間経つけど、その後どうなの?』
今それを聞かれるのは酷以外の何者でもない。
「いや、その…」
答えあぐねていると、
プッ プッ
キャッチ音が入った。
「キャッチ入ったからまたかけるよ。仕事絡みかもしれないから切るね」
『あっ、ちょっと!』
口早に言って強引に母親との通話を切ると、相手を確認しないまま、その電話に応答した。
「はい、柴崎です」
『…木山です。あの、今、電話大丈夫?』
このタイミングで来るとは思っていなくて、心の準備はできていなかった。
途端に心臓の音がやたらと騒ぎだした。
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