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きっかけは十人十色
第7章 運命の日曜日
できれば直接会って話したい、と言う木山さんからの希望で、20時頃にロイヤルホテルのそばの公園で会うことになった。
入り口付近の時計の下で待っていると足音が近づいてきた。
「ごめんなさい。待たせちゃって」
「いや、全然…」
待ち合わせの15分前だ。
夏と言えど、夜になるとやはり肌寒い。木山さんは薄手のストールを羽織ってきていた。
「立ち話もなんだから、ベンチでいい?」
奥の方にあるベンチを示して訊ねた。
木山さんがコクりと頷いたのを確認すると、一歩踏み出した。
日中は賑やかな公園なのに夜はシンとしていて、歩く度に砂利の音がいやに響く。
脈打つ胸の音さえ響いてしまうのでは、と思ってしまう。
握りこぶし二つ分ほどの距離を空けてベンチに腰を下ろした。
「あの、この前はごめん。じゃなくて、すみませんでした」
勢い良く頭を下げたものの、反応がない。
そっと顔を上げて、木山さんの様子を伺う。
羽織ったストールをキュッと抱き合わせて、一点を見つめて唇を結んでいた。
入り口付近の時計の下で待っていると足音が近づいてきた。
「ごめんなさい。待たせちゃって」
「いや、全然…」
待ち合わせの15分前だ。
夏と言えど、夜になるとやはり肌寒い。木山さんは薄手のストールを羽織ってきていた。
「立ち話もなんだから、ベンチでいい?」
奥の方にあるベンチを示して訊ねた。
木山さんがコクりと頷いたのを確認すると、一歩踏み出した。
日中は賑やかな公園なのに夜はシンとしていて、歩く度に砂利の音がいやに響く。
脈打つ胸の音さえ響いてしまうのでは、と思ってしまう。
握りこぶし二つ分ほどの距離を空けてベンチに腰を下ろした。
「あの、この前はごめん。じゃなくて、すみませんでした」
勢い良く頭を下げたものの、反応がない。
そっと顔を上げて、木山さんの様子を伺う。
羽織ったストールをキュッと抱き合わせて、一点を見つめて唇を結んでいた。