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マスタード
第7章 奏ちゃんパパは単身赴任
昼間も陽葵を抱きしめて思ったように奏は陽葵の本当のパパになりたいと思っているし、愛美と本当の夫婦になりたいと思っている。
この気持ちに嘘はないし、大切な家族だと思っている。しかし、どんなに熱望しようとも本当の家族にはなれない。
秀一に言われた遊びは心外であること極まりないが、不倫であることに変わりはない。自分は本当の家族にはなれないが、秀一ならなれる。あんなに熱く愛美を愛しているのだから、きっと陽葵だって大切にしてくれるだろう。その方が愛美も陽葵も幸せなのかも知れない。
そう思うと今夜のマスタードマヨネーズは辛さが心に染みる。
夜も更けて貴美は帰って、陽葵も嬉しそうに眠ってしまった。
「奏ちゃん・・何かあった?」
愛美は時々奏が寂しそうな悲しそうな顔をするのを見逃していなかった。
「もしかして、シュウのヤツに何か言われた?」
愛美に見つめられて誤魔化しはできないと思って奏はそっと頷いた。
「ったく、あたしと結婚したいなんてことさえ言わなきゃいいヤツなのに。罰としてこれからはサービスしてあげるのやめようかしら」と愛美は冗談混じりに言った。
「でも、彼はスゴく真剣に愛美を想っているのは分かったよ。ボクは、こんなふうで申し訳ないなとも思う・・」
「申し訳なくない。全部承知で奏ちゃんとのこの生活を選んだんだから。この生活がいい、奏ちゃんがいい」
ふたりはキスをして抱きしめ合った。
そして陽葵が起きないように注意しながら身も心も裸になって抱きしめ合った。
幼い頃の陽葵は寝たら起きることはなかったが、小学生になって大きくなると起きる心配も出てきた。
子供が大きくなるに連れて夫婦が愛し合うのも大変だと顔を見合せて笑った。
「陽葵もいつかカレシがデキて、こういうこともして、お嫁に行っちゃうのかな」と奏は陽葵の寝顔を見て少し寂しそうに笑った。
「もう、気が早過ぎるよ奏ちゃん。何年先のことを言ってるのよ。父親って娘にはそういう心境になるのかしらね」と言って愛美はきゃははと笑った。
そういえば星志はもう高校を卒業して社会人になるのだが、カノジョがいるとか、結婚するとか、全然考えたことはなかった。
愛美に対する愛情とは全然違うが、父親の娘への想いは特別なんだと奏は思った。
それにしても、今日はふたりもの男がフラれた。陸にしても秀一にしても何だか気の毒だ。
この気持ちに嘘はないし、大切な家族だと思っている。しかし、どんなに熱望しようとも本当の家族にはなれない。
秀一に言われた遊びは心外であること極まりないが、不倫であることに変わりはない。自分は本当の家族にはなれないが、秀一ならなれる。あんなに熱く愛美を愛しているのだから、きっと陽葵だって大切にしてくれるだろう。その方が愛美も陽葵も幸せなのかも知れない。
そう思うと今夜のマスタードマヨネーズは辛さが心に染みる。
夜も更けて貴美は帰って、陽葵も嬉しそうに眠ってしまった。
「奏ちゃん・・何かあった?」
愛美は時々奏が寂しそうな悲しそうな顔をするのを見逃していなかった。
「もしかして、シュウのヤツに何か言われた?」
愛美に見つめられて誤魔化しはできないと思って奏はそっと頷いた。
「ったく、あたしと結婚したいなんてことさえ言わなきゃいいヤツなのに。罰としてこれからはサービスしてあげるのやめようかしら」と愛美は冗談混じりに言った。
「でも、彼はスゴく真剣に愛美を想っているのは分かったよ。ボクは、こんなふうで申し訳ないなとも思う・・」
「申し訳なくない。全部承知で奏ちゃんとのこの生活を選んだんだから。この生活がいい、奏ちゃんがいい」
ふたりはキスをして抱きしめ合った。
そして陽葵が起きないように注意しながら身も心も裸になって抱きしめ合った。
幼い頃の陽葵は寝たら起きることはなかったが、小学生になって大きくなると起きる心配も出てきた。
子供が大きくなるに連れて夫婦が愛し合うのも大変だと顔を見合せて笑った。
「陽葵もいつかカレシがデキて、こういうこともして、お嫁に行っちゃうのかな」と奏は陽葵の寝顔を見て少し寂しそうに笑った。
「もう、気が早過ぎるよ奏ちゃん。何年先のことを言ってるのよ。父親って娘にはそういう心境になるのかしらね」と言って愛美はきゃははと笑った。
そういえば星志はもう高校を卒業して社会人になるのだが、カノジョがいるとか、結婚するとか、全然考えたことはなかった。
愛美に対する愛情とは全然違うが、父親の娘への想いは特別なんだと奏は思った。
それにしても、今日はふたりもの男がフラれた。陸にしても秀一にしても何だか気の毒だ。