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恋 と 愛 と 思い出 と
第1章 1st 美月と朝陽

アイツと別れたのは、5年前の春。

「美月のこと、好きだから。別れたい。疲れた。」


所謂、遠距離恋愛だった。

電車で1時間半。お互い週末が休みだから、週末だけ。
お互いの予定を気にしながら、月に2〜3回。

すごくすごく、好きだった。

音楽の好みは違うけど、食べ物の好みは一緒。
歩く速さは違うけど、引いてくれる手が好きだった。
見上げる顔の角度も、すこし九州訛りな話し方も。
優しい声も、唇も。

お互いのこと知らないことはないくらい、
わかり合っていたと思う。


「…あ、そう。じゃあ仕方ないよね。
疲れさせてごめんね。今までありがとう。」

好きだったから、別れを受け入れた。
あっさりな、フリをして。
困らせたくないなと思うくらいには
ーーーーー好きだった。


と、思う。
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