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恋 と 愛 と 思い出 と
第1章 1st 美月と朝陽
いやいやいや元カレを!
5年ぶりに会う元カレを家に誘うってどうなの!
と思いながらも、他の選択肢がないことを言い訳に、朝陽に尋ねる。
「…美月が嫌じゃないなら…。」
「い、やじゃない、よ。大丈夫。うち、近いから。」
ぎこちなく言葉を交わして、うちに向かう。
相変わらずのコンパス差だけど、手を引かれなくても速度が合っていることに違和感を感じた。
ーーそっか、わたしの家の場所知らないもんね…
今までは全て、朝陽のペースだったから。
わたしが先に行くなんてことはほぼなかったから。
それに気づいた時、チクリ、胸が痛んだ。
言葉を交わすこともなく、歩くこと10分。
わたしのアパートまで戻ってきた。
オートロックを開けている間も、鍵を探す間も、
そこに彼がいるのを感じながら。