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BAR・エロスは今も・・
第2章 修 戸惑いのマッチング
セックスの相手を見つけられるバーのママなのに、
この交渉を取り持つ事に躊躇いの気持ちがむくむくと顔をだした。
人としてだけではなく男としても大切な存在である修を交渉相手に選ばれて、
今は複雑な思いでいっぱいだ。
相手は、見たところ40代半ばくらいだろうか。肩までの髪はさらさらと揺れ、
Vネックのニットの胸元からはレースのキャミソールが覗いている。
私と目が合ったその女は、再び軽く頭を下げ、交渉を促した。
私も小さく会釈し、修の方へ向き直った。
「修、あちらのお客様が修とご一緒したいって。どうする?」
どうする、の一言は余計だった。まるで断りたければ断ってもいい、と勧めているみたい。
そんな私の気持ちを紫苑は察したようだったが、さすがエロスの大先輩、
個人的感情は後に回され、修に女性の存在を知らせた。
「柏木さん、あちらのお客様が柏木さんをお誘いしたいと」
修から女性客が見えるよう紫苑は体をひねる。
対岸でほほ笑む女性と目を合わせると、修は驚いたような目元で口をぽかんとあけた。