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スカーレットオーク2
第20章 20 誕生
 和夫には直樹と小夜子が対話しているように感じられた。

温かいオーラがペンション全体を包むような気がする。

和夫は目を閉じてその柔らかく優しい音楽と雰囲気に身を委ねていた。



「お前。ほんとピアノうまくなったな」

「ありがとう」

 小夜子のエッセンスがあちこちに降り注いでいる。

人々の心の中にも。

『じゃあまた。ごきげんよう』

 小夜子の力強い華やかな声が聴こえたような気がした。
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