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スカーレットオーク2
第21章 21 深緋
 優樹が乳を求めて泣き始め、緋紗はいそいそと幼子を抱き乳を与える。

「吸い付き過ぎじゃないか?」

「こんなものじゃないですか?」

「ふーん……」

「直樹さんにもあとであげましょうか?」

 そう言われてさすがに大人げない自分に自嘲気味に笑った。

「優樹に譲るよ」



 良く乳をのんだ優樹の背中をさすりゲップをさせる。

「あら。また寝ちゃった。よく寝ますねえ」

 二人のスカーレットオークのベッドの横に置かれた、小さなベビーベッドに優樹をそっと寝かし、緋紗は優しく赤ん坊を見つめ子守歌のような歌をハミングする。



「緋紗もちょっと寝たら。ご飯俺がするから」

 そう言いながら緋紗を見ると、すでにうとうとしながら目を閉じるところだった。

直樹はそっと緋紗を抱いてベッドに横たわらせ、頬に優しくキスをし優樹の頬を撫でた。

(少し散歩してくるか)

静かに寝室を出て直樹は家の外の空気を吸った。
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