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教えて、あなたのキモチ
第6章 まさかの遭遇
「もう一度彼女に戻りたいの。でも篤哉にはその気がないみたい」
「……」
「…あなたが部屋から出てきた理由は訊かないわ」
よかった。ヒールを投げつけて汚したジャケットを返しに行ってました、なんて言えっこない。
風邪の看病して出てきました、とも。
ホッと息をついた私を見て、彼女の様子が変わった。
「…なんて言うと思った?」
目を細めて敵意のある視線を向けられる。
「気があるんでしょ?何とも思ってない相手なら部屋に行かないはずよ?」
「それは…」
言いよどむ私に、篤哉は渡さないわよ、とキッと鋭い視線を向けると、彼女は立ち去って行った。
(元カノさん、か…)
ポツンと一人取り残され、頭の中で先ほどの会話を反芻する。
『気があるんでしょ』
自分でも分からない。揺らぎつつある気持ちをごまかすように、ぶんぶんと首を横に振ると、自分の部屋へと踵を返した。
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