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教えて、あなたのキモチ
第7章 気付かされた想い
顔を上げると、匠海くんがじっとこちらを見つめている。
真剣な眼差しに、思わずごくりと息を飲んだ。
「唯衣ちゃん」
「は、はい」
「好きです。付き合って欲しい」
瞬きをするのを忘れてしまった。
驚きのあまり言葉も出ない。
「…沈黙は肯定と取るけど。このままだとキスしちゃうよ?俺」
肩に手をかけられて、段々と顔が近づく。
「…!ま、待って!」
唇が触れるまでわずか数センチ。すんでの所で声が出た。
弾かれたように身体を離す匠海くん。
どうしよう。どう言えばいいんだろう。
「気になってる人がいて…。いや、あの…今の今まで意識してなかったんだけど、えっと…」
「…俺じゃないんだね?」
ここでごめんなさい、なんて言うのはずるい。
ただ頷くしかできなかった。
しばらくの沈黙の後、匠海くんが口を開いた。
「社内の人?」
「ううん、違う」
「…あー…良かったー。社内の人間だったら仕事手につかないとこだった」
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