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教えて、あなたのキモチ
第8章 本心を知る時
今日で仕事納め。少しばかりの残業を終えてマンションに帰ってくると、エントランスのエレベーター前に篤哉さんの姿が見えた。
先日の件を思い出し、心が波風を立てる。決して感情を出さないように、努めて普段通りの口調で挨拶をした。
「…お疲れ様です」
一瞬驚いたように私の方を見て、すぐに表情を戻す。
「お疲れ。帰り遅いんだな」
「年末は繁忙期ですから。体調良くなったみたいですね」
「おかげさまで」
「!」
軽く咳払いをしてごまかす。
やり取りをしている間にエレベーターが降りてきた。
乗り込もうと足を一歩踏み出しかけた時、背後から声がした。
「篤哉」
私が呼ばれたのではないが、なんとなく反射的に振り返ってしまった。
「…あ」
思わず声が漏れた。ロングのストレートヘア。
少し気の強そうな目元。
この前の女の人―。
「…実莉」
ミノリ…さん、ていうんだ。
「こちらの人、この前あなたの部屋から出てきたわよね。どういう関係なの?」
先日の件を思い出し、心が波風を立てる。決して感情を出さないように、努めて普段通りの口調で挨拶をした。
「…お疲れ様です」
一瞬驚いたように私の方を見て、すぐに表情を戻す。
「お疲れ。帰り遅いんだな」
「年末は繁忙期ですから。体調良くなったみたいですね」
「おかげさまで」
「!」
軽く咳払いをしてごまかす。
やり取りをしている間にエレベーターが降りてきた。
乗り込もうと足を一歩踏み出しかけた時、背後から声がした。
「篤哉」
私が呼ばれたのではないが、なんとなく反射的に振り返ってしまった。
「…あ」
思わず声が漏れた。ロングのストレートヘア。
少し気の強そうな目元。
この前の女の人―。
「…実莉」
ミノリ…さん、ていうんだ。
「こちらの人、この前あなたの部屋から出てきたわよね。どういう関係なの?」