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教えて、あなたのキモチ
第3章 思いがけぬ再会
なんかぼかして答えられたけど、ピンときた。この子だ。浮気相手にして、現彼女。名前―たしかあの時…『サクラ』って言ってた。
「生駒咲楽です。秀ちゃんの彼女になって二年三ヶ月でーす」
天然決定。ていうか…まぁいいや。へぇ、かぶり期間は三ヶ月か。なるほどね。
私は笑顔をはりつけて、篤哉さんの腕にしがみついた。
一瞬驚いた風の篤哉さんだったが、どうやら黙って合わせてくれているらしい。
「仲良いのね、羨ましい。ごめんね、この人シャイであんまり喋らないの。じゃあ」
そう言ってひらひらと手を振ると、マンションまで篤哉さんにくっついたまま歩いた。
エントランスに入ってするりと手を離すと、それまで黙っていた篤哉さんが口を開く。
「おい、誰がシャイだって?いつから付き合ってるって?」
「…すみません、黙って合わせてくれて助かりました」
「ま、いいけど」
と肩を上下させて、おおげさに息を吐いた。
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