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サイドストーリー10
第1章 虹色の楽譜

コンクールに出なくなって
その名はリサイタルに変わったけれど
音楽への恐怖は相変わらずだ。
怖くて怖くて指先が震える。
俺がピアノを奏でる意味をいつも考える。
「奏くん」
優しい声が聞こえる。
「茜さん」
「眠れないの?」
「いや。もう寝るよ」
「そう」
茜さんはそう言って何も聞かずに俺の手を包み込む。
震えているのは気が付いているはずなのに
「この手が明日、多くの人を感動させるのね」
静かに話し出す。
「でもきっと1番感動するのは私ね」
「そう?」
「うん。いつもいつも私はこの手に夢中よ」
優しく笑いながらそう話した。
ゆっくりと震えが収まっていく。
「多くの人が感動するリサイタルの前にこの手に触れることが出来るなんて妻の特権ね」
「・・・・」
「さ、寝ましょう。私がこの手を守っててあげるわ」
さっきまで震えていた手は、茜さんの手の中で温まっていく。
大好きだよ。
明日も君のために弾こう。
END****
その名はリサイタルに変わったけれど
音楽への恐怖は相変わらずだ。
怖くて怖くて指先が震える。
俺がピアノを奏でる意味をいつも考える。
「奏くん」
優しい声が聞こえる。
「茜さん」
「眠れないの?」
「いや。もう寝るよ」
「そう」
茜さんはそう言って何も聞かずに俺の手を包み込む。
震えているのは気が付いているはずなのに
「この手が明日、多くの人を感動させるのね」
静かに話し出す。
「でもきっと1番感動するのは私ね」
「そう?」
「うん。いつもいつも私はこの手に夢中よ」
優しく笑いながらそう話した。
ゆっくりと震えが収まっていく。
「多くの人が感動するリサイタルの前にこの手に触れることが出来るなんて妻の特権ね」
「・・・・」
「さ、寝ましょう。私がこの手を守っててあげるわ」
さっきまで震えていた手は、茜さんの手の中で温まっていく。
大好きだよ。
明日も君のために弾こう。
END****

