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blossom
第8章 Love7:嫉妬する男
「あぁ、ごめん。今からお風呂?」
「うん…大丈夫。」
平静を装いながら、目は鏡の中の自分を見る。やっぱり首筋のキスマークは時間が経っても消えてはいなかった。とっさに顔の角度を調整する。
「歯磨き?終わったら呼んでね」
夫が入ってきたドアからそそくさと逃げようとする。
「ねえママ」
「ん?なあに?」
「今日はなんかあった?」
「別に…何も?」
「そうか。…髪下ろしてるのも良かったよ」
一筋纏めきれていなかった髪の束を優しく手の平で握った。そして、スーッと髪を通し終えると、あくまで優しく耳にかけてくれた。
「やだ、急にどうしたの…」
夫と目を合わせることができなかった。首筋をずっと見られていた気がしたから。
ドアを閉めて静かに深呼吸する。
こめかみにまで響いているこの心臓の音は夫に聞こえただろうか。
ソファに座ってテレビをつけた。
絶対にバレてはいけない。スマホで検索すると家にあるクリームで消えると分かった。
薬箱から探し出して、パジャマの下に隠して持つ。
佐野くんとはもう二度と会わない。
あんな人だと思わなかった。
こんな危ないこと、もう絶対に…
「ママどうした?そんな真面目な顔でCM見て」
夫が近づいてくるのを避けるようにソファから立ち上がる。あからさま過ぎただろうか。
「お風呂…行ってくるねー。先、休んでて」
「ああ、そうだね。ごゆっくり。」
「うん…大丈夫。」
平静を装いながら、目は鏡の中の自分を見る。やっぱり首筋のキスマークは時間が経っても消えてはいなかった。とっさに顔の角度を調整する。
「歯磨き?終わったら呼んでね」
夫が入ってきたドアからそそくさと逃げようとする。
「ねえママ」
「ん?なあに?」
「今日はなんかあった?」
「別に…何も?」
「そうか。…髪下ろしてるのも良かったよ」
一筋纏めきれていなかった髪の束を優しく手の平で握った。そして、スーッと髪を通し終えると、あくまで優しく耳にかけてくれた。
「やだ、急にどうしたの…」
夫と目を合わせることができなかった。首筋をずっと見られていた気がしたから。
ドアを閉めて静かに深呼吸する。
こめかみにまで響いているこの心臓の音は夫に聞こえただろうか。
ソファに座ってテレビをつけた。
絶対にバレてはいけない。スマホで検索すると家にあるクリームで消えると分かった。
薬箱から探し出して、パジャマの下に隠して持つ。
佐野くんとはもう二度と会わない。
あんな人だと思わなかった。
こんな危ないこと、もう絶対に…
「ママどうした?そんな真面目な顔でCM見て」
夫が近づいてくるのを避けるようにソファから立ち上がる。あからさま過ぎただろうか。
「お風呂…行ってくるねー。先、休んでて」
「ああ、そうだね。ごゆっくり。」