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blossom
第8章 Love7:嫉妬する男
大きな鏡で見れば見るほど大変なことになっていた。簡単には取れなさそうな痣とキスマークの数。

湯船に浸かったままひとまず首筋と鎖骨にクリームを塗り込むと少し薄くなってきた。ホッとしてさらに塗り込む。

よく見ると手首にもうっすら掴まれた痕が痣のようについている。それでも怒る気になれないのは、私にも原因の一端があるから。

疲れていた身体をバラの香りのバスミルクを入れたお風呂で癒す。


たっぷり一時間以上お風呂で過ごしてからベッドに入る。静かに寝息を立てている夫の背中に私も背を向けて目を閉じる。

ウトウトとし始めたところで肩を撫でられた。

誰…?
(陸人?怖い夢でも見た?)

その手が首筋にかかる髪をどかしたところで覚醒した。
(首は見られちゃだめっ)

目を開けると夫がこちらに体を向けていた。

「ど…したの?」

「たまには、どうかと思って」
(たま?10年ぶりだよ?何言ってるの?)

「今日はちょっと疲れてるから…」

「いいよ、何もしなくていいから」

太ももに触れている夫の性器は既に…。
(どうして突然?)

パジャマにしているTシャツに手をかけようとしてくるのを、必死で止める。

「本当にっ…今日はごめんなさい…」

「明日ならいいの?」

「明日は…そうね、考えておく」

夫の腕が頭の下にきて、10年ぶりの腕枕をされた。抱きしめられるのも10年ぶり。

何かに勘づいたとしか思えない、突然のできごとだった。
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