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blossom
第12章 Love11:共有する男
「大丈夫?」
髪を撫でられる。
冴島さんの声?
「外してもいいかな?」
返事の代わりに頷く。
パチンとボタンが外されて、一気に眩しくなる。片目ずつゆっくり目を開けると、冴島さんはペットボトルの水にストローをさそうとしているところだった。
すぐそばに居て、アイマスクを持っているのは若い男だった。
「おはよう」
からかうような言い方だけれど、優しい目で髪を撫でてくれている。
首からタオルをかけた白髪混じりの男の人がバスルームから出てきた。
「おお、想像の上を行く美人さんだ」
私に近づくとバスタオルを掛けてくれた。
「さくらさん、飲める?」
ペットボトルを渡してくれた冴島さんは、私の足元に座った。
「さくらちゃんが平気なら、ジャグジーどう?」
「ジャグジーあるんだ。さすが!」
「どうしますか?さくらさん動ける?」
「はい…でも…みんなで?」
「恥ずかしい?」
おじさんが優しく言う。
「なーに言ってんの。
俺なんかコレ、まだ洗ってないんだからね」
若い方が立てた小指の先をペロッと舐めた。
(どういう意味?)
不思議そうな顔をしている私に向かって、囁いた。
[あ、な、る]
「きゃぁっ!やめて!!」
やっと意味が分かってその手を両手で抑えつけた。