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blossom
第2章 Love1:ハジメテの男
母のところへは午後に行こう。
布団を敷いて少し眠ろうと目をつぶった。

しかし、目を閉じると山根くんの身体が思い浮かんでしまう。八歳年上の夫とは違う、少し筋肉質の身体だった。

私は山根くんと夫の身体しか知らない。

結婚して三年のうちに子供二人を出産し、それ以降夫とはレスなので、身体の関係があった期間としてはこの二人にそう大差はない。

むしろ、山根くんとの方が期間は長いかも。回数も山根くんの方が多いかもしれない。今回のを数に入れるなら尚更。
…そりゃあ、昔のままだとバレてしまうわけだ。


「そんな声を出す人とは思わなかった」と初めて夫と夜を共にしたときに言われてから、私はできるだけ声を出さないように我慢するようになった。

夫との営みは妊娠のためのものだとはうすうす分かっていたけれど、それでも抱きしめられることで愛を感じることができていた。

淡白な夫の前では、淡白な妻でいることが当然だと思っていた。

もしかしたら夫は、私が他の男に抱かれても何も感じないかもしれない…
私の中に去来する虚しさの原因はそれかも…

その辺で、私は眠りに落ちたのだった。
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