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blossom
第3章 Love2:知らない男
見ず知らずの人となんとも言えない空気を共有している不思議な時間だった。
男性の方が早く食べ終わって、会計を済ませていた。それに続こうと私も席を立ち会計を済ますと、テーブルに万年筆が置き去りにされているのに気づいた。
「あっ、忘れ物…」
まだお客さんが残っていて、とてもご主人が追いかけられる状態ではない。言うより先に、私がその万年筆を持って店を出たのだった。
「あのっ…」
少し先を歩いていくその人に声をかけるけれど、気づいてもらえない。
「すみませんっ、忘れ物です!」
振り向きもせずに、私が停めた駐車場の方へ入っていった。
駐車料金を払っているところに声をかけようと近づいた時だった。ほんの少しの段差に、私はよろけて転んでしまい、私はアスファルトに膝を強く打ちつけた。
「だっ大丈夫ですか?!!」
駆け寄ってきたその男性は私の腕を掴むと力強く立ち上がらせてくれた。
「大丈夫です。あ、あの、万年筆…お忘れでっ…」
しかし手のひらは擦りむいて血が滲んでいるだけで、万年筆はどこかへ飛んでいってしまった。
「どうしようっ……どこに…」
キョロキョロとそれらしいものを探してみるけれど、まったく見当たらない。ヒリヒリする膝を見てみるとストッキングは電線し、血が流れ出していた。
男性の方が早く食べ終わって、会計を済ませていた。それに続こうと私も席を立ち会計を済ますと、テーブルに万年筆が置き去りにされているのに気づいた。
「あっ、忘れ物…」
まだお客さんが残っていて、とてもご主人が追いかけられる状態ではない。言うより先に、私がその万年筆を持って店を出たのだった。
「あのっ…」
少し先を歩いていくその人に声をかけるけれど、気づいてもらえない。
「すみませんっ、忘れ物です!」
振り向きもせずに、私が停めた駐車場の方へ入っていった。
駐車料金を払っているところに声をかけようと近づいた時だった。ほんの少しの段差に、私はよろけて転んでしまい、私はアスファルトに膝を強く打ちつけた。
「だっ大丈夫ですか?!!」
駆け寄ってきたその男性は私の腕を掴むと力強く立ち上がらせてくれた。
「大丈夫です。あ、あの、万年筆…お忘れでっ…」
しかし手のひらは擦りむいて血が滲んでいるだけで、万年筆はどこかへ飛んでいってしまった。
「どうしようっ……どこに…」
キョロキョロとそれらしいものを探してみるけれど、まったく見当たらない。ヒリヒリする膝を見てみるとストッキングは電線し、血が流れ出していた。