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blossom
第17章 Love16:虐げる男
「終わったら施錠して、鍵を戻してください」

「分かりました、ありがとうございます」

早足で用務員室から印刷室へと向かう。
(どうしよう…どうしよう…恥ずかしい…)

幸い書類はすぐに見つかったけれど、用務員室へ戻る勇気が出ない。
すぐに窓から見える空は暗くなってしまった。


意を決して鍵を返しに向かう。


「鍵、ありがとうございました」
まともに顔も見れずに鍵を手渡そうとした。

「そこのフックに掛けてもらっていいですか?」

用務員室の中へ入って掛ける場所を指さしている。

「失礼します…」

印刷室と書かれているフックを探している背中に話しかけられた。

「興味、あるんでしょ?」

「え?」
振り返るとあの首輪の女性のページをこちらに向けて微笑んでいた。

「愛液ベッタリつけて、なんの合図です?」

確かにページの左下には濡れて乾いた跡が残っていた。

知りません、と答えるつもりだった。

それなのに。

「ごめんなさい…」
口から出た言葉は、全てを認める謝罪の言葉だった。

近づいてきた用務員さんは、私の右手から鍵を優しく取りあげると、そのまま私の指を一本ずつ舐め始めた。

「スケベな味がするよ」
中指に至った時、指先に歯を立てて咥えながらそう言った。

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