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blossom
第22章 Love21:私だけの男
次の朝、夫より先に起きて朝食の用意をしていると、子供たちが起きてきた。
「ママ、内緒なんだけどさぁ」
陸人が近くに来て耳元でコソコソ話をし始める。
[ 六年生を送る会で、僕、前に出て喋るんだよ!まなちゃん、ビックリするかな?]
[ するする!ママも内緒にしておくからね]
[ だからさぁ、家で練習できないから、学校でやってるんだよねぇ。]
さも大変なんだと言わんばかりの言い方かかわいくてたまらない。更に〘 内緒で 〙というのが嬉しくて仕方ないみたいだ。こんなに素直に育てられたのも、この家族の中だからだと思う。
やっぱり、これを壊す訳にはいかない。
母親業を卒業するまでは…
冴島さんは本当にその時まで待ってくれるのだろうか。
パジャマのまま起きてきた夫に、愛花が声をかけた。
「どこに行くか決まった?ママ、前に沖縄に行きたいって言ってたよ。」
「ははは、そんなに遠くは行けないよ。一泊だから、群馬辺りでどうかな?ねぇ、ママ?」
「そう…ね。でも、パパ、やっぱり…」
「おばあちゃんもおじいちゃんも、二人が来るのを楽しみにしてるってさ。」
夫の言葉に遮られてしまい、口を噤むしかなかった。
ふぅ…。息を全部吐き出してから、また笑顔をつくる。
「りっくん、ヨーグルトも食べる?」
「うーん…食べる!!りんごジャムも!」
「私はジャム要らなーい」
「りょうかーい」
旅行に関してはもう覆らないだろう。
「ママ、内緒なんだけどさぁ」
陸人が近くに来て耳元でコソコソ話をし始める。
[ 六年生を送る会で、僕、前に出て喋るんだよ!まなちゃん、ビックリするかな?]
[ するする!ママも内緒にしておくからね]
[ だからさぁ、家で練習できないから、学校でやってるんだよねぇ。]
さも大変なんだと言わんばかりの言い方かかわいくてたまらない。更に〘 内緒で 〙というのが嬉しくて仕方ないみたいだ。こんなに素直に育てられたのも、この家族の中だからだと思う。
やっぱり、これを壊す訳にはいかない。
母親業を卒業するまでは…
冴島さんは本当にその時まで待ってくれるのだろうか。
パジャマのまま起きてきた夫に、愛花が声をかけた。
「どこに行くか決まった?ママ、前に沖縄に行きたいって言ってたよ。」
「ははは、そんなに遠くは行けないよ。一泊だから、群馬辺りでどうかな?ねぇ、ママ?」
「そう…ね。でも、パパ、やっぱり…」
「おばあちゃんもおじいちゃんも、二人が来るのを楽しみにしてるってさ。」
夫の言葉に遮られてしまい、口を噤むしかなかった。
ふぅ…。息を全部吐き出してから、また笑顔をつくる。
「りっくん、ヨーグルトも食べる?」
「うーん…食べる!!りんごジャムも!」
「私はジャム要らなーい」
「りょうかーい」
旅行に関してはもう覆らないだろう。