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blossom
第23章 Love22 : 桂木さくらという女
夫は顔をクイッと動かした。
(電話をかけろと言っているの?まさか…?ここで?!)
えっ?という表情を見せると、夫は、「うん」と頷いて見せた。
私は恐る恐る、冴島さんの名前をタップする。
すぐに冴島さんの声が聞こえた。
「さくらさん、大丈夫?」
「うん。冴島さんは?平気?」
「あぁ、大丈夫だよ。話が出来てよかったよ」
「変なこと…酷いこととか言われてない?」
コソコソと口元を隠しながら話す。夫だけでなく、子供にも聞かれたくなかった。
「大丈夫、心配することは何も無いよ。ご主人とはもう話した?」
「いえ、何も…」
「そう…それなら、僕はその後で話した方が良さそうだ。」
「冴島さん…待ってっ…」
「大丈夫。大好きだよ、さくらさん」
取り乱す訳にもいかず、通話の切られたスマホを何事も無かったかのようにバッグにしまった。
子供たちは何も気づいていない。
モヤモヤする気持ちは拭えないままだったけれど、冴島さんの愛の言葉が心を濡らした。
夫と冴島さんは何を話したのだろう…。
大した時間は無かったはず。
(夫と話してからって言っても、いつになったら話せるの…。夜?夜までなんて待てない。)
バドミントンを終えて、別の場所に移動しよういう夫の提案に子供たちも賛成した。行きそびれた遊具のところに行きたいらしい。
一旦荷物をまとめて、みんなで引っ越すことにした。
(電話をかけろと言っているの?まさか…?ここで?!)
えっ?という表情を見せると、夫は、「うん」と頷いて見せた。
私は恐る恐る、冴島さんの名前をタップする。
すぐに冴島さんの声が聞こえた。
「さくらさん、大丈夫?」
「うん。冴島さんは?平気?」
「あぁ、大丈夫だよ。話が出来てよかったよ」
「変なこと…酷いこととか言われてない?」
コソコソと口元を隠しながら話す。夫だけでなく、子供にも聞かれたくなかった。
「大丈夫、心配することは何も無いよ。ご主人とはもう話した?」
「いえ、何も…」
「そう…それなら、僕はその後で話した方が良さそうだ。」
「冴島さん…待ってっ…」
「大丈夫。大好きだよ、さくらさん」
取り乱す訳にもいかず、通話の切られたスマホを何事も無かったかのようにバッグにしまった。
子供たちは何も気づいていない。
モヤモヤする気持ちは拭えないままだったけれど、冴島さんの愛の言葉が心を濡らした。
夫と冴島さんは何を話したのだろう…。
大した時間は無かったはず。
(夫と話してからって言っても、いつになったら話せるの…。夜?夜までなんて待てない。)
バドミントンを終えて、別の場所に移動しよういう夫の提案に子供たちも賛成した。行きそびれた遊具のところに行きたいらしい。
一旦荷物をまとめて、みんなで引っ越すことにした。