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blossom
第24章 The Last Love : 運命の人
でも、冴島さんがくれる甘いキスと囁きは、初めて会った時からずっと私の心を掴んだままだ。
夫の貪られるようなキスとは違って、ゆっくりとひとつずつ身体のスイッチをONにしていくような感じがする。


車を降りてマンションが見えてくる。
充実感と、クリトリスに残る痺れ。

(今夜、夫は求められたら断ろうかな…)

下半身にまとわりつく倦怠感は、嫉妬にまみれた夫の愛に応えられなさそうな気がする。


エレベーターを待っている私の後ろから、「わっ!」と愛花が驚かした。そのままランドセルを私に預け、友達と待ち合わせたという公園へ向かった。

「ずるーい!」
後からきた陸人は、愛花に文句を言っている。

「いいよ。りっくんのもママ持って行ってあげるから」

「やったー!でも重たいからパパに取りに来てもらったら?」

「パパ、お仕事だよ」

「今ピンポンしたらパパいたよ?」

「そうなんだ…でも大丈夫。力持ちだから。」

「へへへ。じゃあ行ってくるね。」
そう言って陸人もエントランスを出ていった。


もう家にいるというのは予想外だった。
しかし、一時期感じていたような夫への鬱陶しさは消えていた。

「ただいま!」
玄関のドアを開けると、夫が迎えに出てきた。

「二人ともこんなに重いの持たせて」
ランドセルを受け取りリビングへ向かう夫の後について行く。

「楽しかった?」
ランドセルを床に下ろしながら、背中越しに尋ねられた。
「そうだね。楽しかったよ。」

「中出しされた?」

突然の直接的な質問だったけれど、冷静に答える。
「冴島さんは、中では出さないよ」

「へぇ…」
夫は冷蔵庫から出した冷たいお茶をグラスに注ぎ、私に差し出してくれた。

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