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blossom
第24章 The Last Love : 運命の人
10年間、まるで別世界のものであるかの如く遠のいていたセックスが、今はすぐ側にある。
一年前には想像もしていなかった『 今』がある。
一年前の私も幸せだった。
普通の主婦の普通の毎日。
この一年で一変した夫との関係…
全てのきっかけはセックスだったけれど、それが私たちの全てという訳では無い。
これまで一番近くにいて、これからも一番近くにいる人だと、『 今』は感じている。
だからと言って、夫が私の運命の相手かどうかは分からない。何故なら夫以上の快感を私に与えてくれる、まるで肉体の片割れのような存在が別にあるから。
きっとこれから出会うまた別の男と身体を繋げることもあるかもしれない。
そうやってまた蕾を膨らませ、別の男の腕の中で花を咲かせて生きていきたい。
陸人が持ち帰った桜の花を飾ったグラスを手に取った。もう花びらの色は褪せて衰えていた。
(パッと散る潔さなんて、私は嫌。)
シンクに流して、グラスをすすぐ。
私は散ってもまた風で舞い上がりたい。
水辺に散ればまたその楽しさがあるだろう。
それを楽しめる相手がいる限りは。
もう自分を隠したり偽ったりしない。
花の命は短いのだから。
コーヒーを渡すとき、夫の手が私の手を包み込んだ。
目と目で繋がる。
「また!子供の前でイチャイチャしすぎ!!」
微笑みあっているところを愛花が指摘される。
楽しい朝の時間が過ぎ、みんなを送り出した後、ゆっくりとシャワーを浴びた。
冴島さんからプレゼントされた黒の下着を身につけて鏡の前に立ってみると、めくるめく快感の記憶がフラッシュバックする。
黒地のカットソーに大きな花柄のフレアスカートを合わせた。誰も私がこんなに淫らだなんて気づかないだろう。
指先で身体のラインを辿る。
そしてロングスカートの裾を摘んで、鏡の前で捲りあげると、黒のレースに包まれた秘密の場所が疼いてしまう。
職場に着いた夫からLINEが届いた。
メッセージでは無く、ほんの数秒の動画だった。
昨夜の私たちを録画したものだった。
目隠しとヘッドホンをつけたまま、あられもない声をあげて夫の髪を掴んでいる私が、艶めかしく身体をくねらせていた。
あぁ…幸せ
冷蔵庫を開けて夕食のメニューを考える。
夫の好きなものにしよう。
〖 完 〗
一年前には想像もしていなかった『 今』がある。
一年前の私も幸せだった。
普通の主婦の普通の毎日。
この一年で一変した夫との関係…
全てのきっかけはセックスだったけれど、それが私たちの全てという訳では無い。
これまで一番近くにいて、これからも一番近くにいる人だと、『 今』は感じている。
だからと言って、夫が私の運命の相手かどうかは分からない。何故なら夫以上の快感を私に与えてくれる、まるで肉体の片割れのような存在が別にあるから。
きっとこれから出会うまた別の男と身体を繋げることもあるかもしれない。
そうやってまた蕾を膨らませ、別の男の腕の中で花を咲かせて生きていきたい。
陸人が持ち帰った桜の花を飾ったグラスを手に取った。もう花びらの色は褪せて衰えていた。
(パッと散る潔さなんて、私は嫌。)
シンクに流して、グラスをすすぐ。
私は散ってもまた風で舞い上がりたい。
水辺に散ればまたその楽しさがあるだろう。
それを楽しめる相手がいる限りは。
もう自分を隠したり偽ったりしない。
花の命は短いのだから。
コーヒーを渡すとき、夫の手が私の手を包み込んだ。
目と目で繋がる。
「また!子供の前でイチャイチャしすぎ!!」
微笑みあっているところを愛花が指摘される。
楽しい朝の時間が過ぎ、みんなを送り出した後、ゆっくりとシャワーを浴びた。
冴島さんからプレゼントされた黒の下着を身につけて鏡の前に立ってみると、めくるめく快感の記憶がフラッシュバックする。
黒地のカットソーに大きな花柄のフレアスカートを合わせた。誰も私がこんなに淫らだなんて気づかないだろう。
指先で身体のラインを辿る。
そしてロングスカートの裾を摘んで、鏡の前で捲りあげると、黒のレースに包まれた秘密の場所が疼いてしまう。
職場に着いた夫からLINEが届いた。
メッセージでは無く、ほんの数秒の動画だった。
昨夜の私たちを録画したものだった。
目隠しとヘッドホンをつけたまま、あられもない声をあげて夫の髪を掴んでいる私が、艶めかしく身体をくねらせていた。
あぁ…幸せ
冷蔵庫を開けて夕食のメニューを考える。
夫の好きなものにしよう。
〖 完 〗