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blossom
第5章 Love4:見ていた男
くったりとし始めた男性器から顔を離すと、店主は目を開けた。

私を見下ろしながらニヤリと笑ったその顔は、料理を出すときの笑顔とはまるで別人のようだった。

目の前で男の体液が私の服に垂れた瞬間、嫌悪感で吐きそうになる。

「奥さんのヨダレまみれになっちゃったなぁ」

店主は自分の性器を摘むと、私の頬にペチンと当てた。

ゾッとした。

こんな男の精液を飲み込んでしまったなんて。


男の身体を押しのけて立ち上がり、テーブルの上に置かれたバッグを掴んで、店の外に飛び出た。

自転車のロックを外して、直ぐにその場を去る。


(こんなこと…誰にも言えない…)

誰にも会わずに家に辿り着けたのは幸いだった。

靴を揃えもせずトイレに向かう。身体の中に飲み込んだ汚いものを吐き出してしまいたかった。




服を洗濯機に放り込んでそのままシャワーを浴びたときも、まだ涙は止まっていなかった。

白い乳房にはくっきりと赤く歯型がついていて、少し痛んだ。






汚れた服を干し、温かい紅茶を入れた。
意を決してスマホで検索をする。

〘精子 飲み込む 妊娠〙




この時の私は、そんなことも知らない無知で愚かな女だった。
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