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満たされないシェアハウス
第12章 壊したくなかったのに
辰巳は
なんとか落ち着いてくれたけど
楽しみにしていたテレビを消して
不全とした態度で
腰を下ろした

「俺が話すから」

「いいよ、あたしが話す」

「ええから」

「どっちだっていいけどさ
どーゆーことだよ。
何?二人付き合ってんのかよ」

「いや…違うんや」

「じゃあなんだよ。
付き合ってねーのに
おかしくね?」

「あれや…前話した」

「なんだよ」

「セフレなんや」

その言葉を聞いた途端
辰巳はまた大きな声をあげ
冬馬に
そばにあったクッションを
思い切り投げつけた

「何考えてんだよお前!
この先
姉ちゃんは結婚だってすんだぞ!!
セフレなんか
ろくなことねーっつたろ!」

「…すまん」

「ちょっと辰巳!
冬馬だけが悪いわけじゃないでしょ!
あたしだって
それでいいってそうしてんの!
てゆーか
あんたに関係ないじゃん!」

あんたに関係ない

そんなことはない

だから
二人でいつも悩んでたのに
だからこそ
ずっと隠してきたのに…

なんでそんなこと
言っちゃったんだろ

「関係ない?
あっそ。
あ、そーなんだ。
二人とも
それぞれ幸せになってほしいとか
考えてたのは
余計なお世話で
ただの馬鹿だよな!
まーいいよ。
けど冬馬
ちょっと外にでろや」

「辰巳!」

「殴んねーよ。
男同士の話。
琴姉には聞かれたくねーの!」

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