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満たされないシェアハウス
第12章 壊したくなかったのに

「何やってんだよ冬馬!」
驚いて目を開けると
目の前には辰巳が立ってて
冬馬は
その辰巳に身体を押されたのか
床に手をついていた
「お前さぁ!」
辰巳は
もう冬馬を殴りそうな勢いで
私は慌てて立ち上がると
辰巳の右腕を掴んだ
「待って辰巳
冬馬は悪くないから」
「何がだよ!
おい冬馬!」
私が掴んだところで
どうにもなるわけがない
男の力って半端なく
辰巳は易々と私の手を振り払うと
冬馬の胸ぐらを掴んだ
「誤解なんだってば!辰巳!
冬馬も黙ってないでよ!」
誤解よ、誤解
無理矢理何かされてた訳じゃないの
それなのに
冬馬はわざと殴られようとしてるのか
黙ったまま
それで私は
それをどうにか止めたくて
叫んでしまった
「同意なの!
同意の上でやってんの!
問題ないでしょ!」
「はぁ?!」
「手、離して。
全部説明するから」
「無理矢理じゃねーんだな?!」
「違うから
だから
落ち着いてってば」

