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満たされないシェアハウス
第13章 満たされた寂しさ
「喉、乾いてんねやろ?はい」

「う、うん」

「なんや不思議やなぁ。
嬉しすぎんのに
泣けてくる気持ち分かるわ」

「うん」

「せやけど
でけたら
笑うとこ見たい」

「…うん、わかった。
けど、電気消していい?
ほんとに
目のやり場に困るんだけど」

「それは
俺だけやからやろ」

「え?」

冬馬は
自分だけが裸だから困るんだ
とかなんとか言いながら
私の服を脱がしはじめた

そして
あっという間に
下着姿にされたかと思うと
甘い言葉もムードもないまま
冬馬は淡々と
私のブラの
フロントホックを外した

「ちょっ、冬馬」

恥ずかしくて
両手で胸を隠すと
冬馬は
いつもの笑顔で笑った

「ククッ」

可愛い…エクボ

「な、ねぇ、もうちょっと
甘い雰囲気とかないの?
優しくしてくれてもいいじゃん。
元カノとかとも
そんな感じだったの?
だからすぐ別れちゃったんじゃない?
だいたい
先に全裸になるとか
あり得ないんだけど」

「ククッ」

「な、なによ」

「焦ったり照れたりすると
マシンガントークする癖が
可愛らしいなー思うて」

「え?」

「そーゆーの
バレへんように
文句言うねん、昔から」

「そ、そんなことないし!」

「俺はなんでも知ってんねん」

「そ、そんなこと」

「知ってんで
お姉さんぶってても
甘えたい思うてるとこも
今めちゃくちゃ
恥ずかしがってんのも
せやけど俺に
抱かれたい思うてることも」

「そ、そんな」

と、また反撃しようとすると
冬馬は
枕元のスイッチで
部屋を少し暗くし
真顔で私の頰に触れた

「ちゃうんか?」

違くない…

抱かれたいよ
冬馬に

思い切り抱かれたい

「俺、もう我慢でけへん」



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