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第14章 　オナニズム

　…
　電車が到着し、乗り込む優夏。
　座席は十分に空いていた。

　優夏は扉近くの、端の座席に腰を下ろした。
　バックを脇に置き、持ち手に腕を通す優夏。
　もちろん足は閉じ、膝をくっつける。
　さらに、太ももの隙間を隠すように、両手を置く。
　こうして、完璧な防御態勢は整った。
　そして、電車は発車した。

　隣には、一席分空けて年配の女性。
　正面に座っているのは、女子高生4人組。
　近くには、吊り革につかまる人もいない状態であった。
　…
　電車が発車してすぐに、うとうとする優夏。
　心地よい振動が、眠気を誘っていた。
　溜まった疲れも影響し、優夏の顔が下を向く。
　優夏は、完全に眠りに就いてしまった。

　そんな優夏に、近づく一人の男。
　それは、部活帰りの男子高校生だった。

　その男子高校生は、優夏が座る席近くの扉までやって来た。
　車内を見廻す男子高校生。
　乗客の視線を気にしながら、しゃがみ込んだ。
　そして、下を向く優夏の顔を見た。