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好きと依存は紙一重
第1章 決意
京都駅に着くと、駅員に聞きながら東京行きの新幹線の切符を買う。ホームに向かう途中空腹に気づき、駅弁とペットボトルのお茶を買ってからホームに行く。
「困ったらええんや……」
拗ねた子供のようにつぶやくと、アナウンスが流れた。近くで人身事故が起きたらしく、新幹線が遅れるとのこと。
「こないな時に……」
思わず舌打ちをし、誰にも気づかれないことを祈りながら、ハンチング帽をかぶり直した。
その頃、池袋ではひとりの少女がスマホを見ながら歩いていた。黒髪ストレートの長い髪を猫耳ヘアにし、猫のシルエットが散りばめられたパーカーを着ている。真冬だというのにパーカーのジッパーを半分以上おろして豊満な胸を露わにし、ミニのフレアスカートをはいている彼女は、見ているだけでも寒々しい。
「次は、クイーンか……。ボロっちいんだよなぁ、あそこ……」
メモ帳に書かれたホテル名にげんなりし、ため息をつく。
彼女の名前は神谷未亜。18歳の彼女は高校を卒業すると親に黙って上京し、家賃3万円のボロアパートに住んでいる。
作家志望の彼女はシャム猫というペンネームで、スキルマーケットサイトで稼いでいる。といっても、家賃と食費の半分しか稼げないため、日中は本屋で、夜はこうしてデリヘル嬢として働いている。
「あーあ、着いちゃった……。キモい客じゃなきゃいいんだけど」
ラブホテルを見て陰鬱な顔をすると、中に入って受付に声をかける。
「すいませーん、205号室入りまーす」
「はーい」
気だるそうな返事が返ってくると、エレベーターに乗って2階に行く。205号室の前に立つと、軽快にドアをノックする。ドアはゆっくりと開き、顔色の悪い中年男性が出てきてニヤリと笑う。
「君がマオちゃん? 写真で見るより可愛いね」
中年男性のテンプレみたいなセリフにため息をつきたくなるのをこらえ、とびきりの笑顔を見せる。
「えっへへ、ありがと。マオをよろしくね? みゃーお」
内心自分にドン引きしながらも、思いっきりカワイコぶる。何度やってもこればかりは慣れそうにない。
「困ったらええんや……」
拗ねた子供のようにつぶやくと、アナウンスが流れた。近くで人身事故が起きたらしく、新幹線が遅れるとのこと。
「こないな時に……」
思わず舌打ちをし、誰にも気づかれないことを祈りながら、ハンチング帽をかぶり直した。
その頃、池袋ではひとりの少女がスマホを見ながら歩いていた。黒髪ストレートの長い髪を猫耳ヘアにし、猫のシルエットが散りばめられたパーカーを着ている。真冬だというのにパーカーのジッパーを半分以上おろして豊満な胸を露わにし、ミニのフレアスカートをはいている彼女は、見ているだけでも寒々しい。
「次は、クイーンか……。ボロっちいんだよなぁ、あそこ……」
メモ帳に書かれたホテル名にげんなりし、ため息をつく。
彼女の名前は神谷未亜。18歳の彼女は高校を卒業すると親に黙って上京し、家賃3万円のボロアパートに住んでいる。
作家志望の彼女はシャム猫というペンネームで、スキルマーケットサイトで稼いでいる。といっても、家賃と食費の半分しか稼げないため、日中は本屋で、夜はこうしてデリヘル嬢として働いている。
「あーあ、着いちゃった……。キモい客じゃなきゃいいんだけど」
ラブホテルを見て陰鬱な顔をすると、中に入って受付に声をかける。
「すいませーん、205号室入りまーす」
「はーい」
気だるそうな返事が返ってくると、エレベーターに乗って2階に行く。205号室の前に立つと、軽快にドアをノックする。ドアはゆっくりと開き、顔色の悪い中年男性が出てきてニヤリと笑う。
「君がマオちゃん? 写真で見るより可愛いね」
中年男性のテンプレみたいなセリフにため息をつきたくなるのをこらえ、とびきりの笑顔を見せる。
「えっへへ、ありがと。マオをよろしくね? みゃーお」
内心自分にドン引きしながらも、思いっきりカワイコぶる。何度やってもこればかりは慣れそうにない。