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好きと依存は紙一重
第3章 暗雲
「さて、本題に入りまひょか。実はあの男、安田っちゅうらしいんどすけど、薬物依存症だそうどす」
「へ?」
予想すらしていなかった話に、間の抜けた声が出る。
「安田の話はめちゃくちゃやけど、ほんでも姫さんがマオって名前でデリヘル嬢しとったことははっきり言うとったみたいどす」
連の言葉が、心に重くのしかかる。今まではデリヘル嬢だった過去についてなんとも思っていなかったが、安田に襲われたことによって、薄汚れた醜い過去に成り果てた。
「そやさかい、姫さんがデリヘル嬢をしとったのは、安田の妄想ちゅうことにしときました」
「え? どうやって?」
未亜が目を見開いて聞くと、連はいたずらっ子の様に笑った。
「簡単な話どすえ。そんなんは、薬物依存症患者の作り話や言いました。警察はすんなり信じてくれましたえ」
「なんていうか、それで通っちゃう警察って……」
あっさり丸め込まれる警察に、呆れ返って言葉が出ない。
「jesterに嫌がらせのメールが来とったことについても、シャム猫せんせを存在しいひんデリヘル嬢と思い込んだ妄想に過ぎへん言うときました。姫さんが送ったメールについても、自作自演やろうって」
「うわぁ、嘘ばっか……」
未亜も時々嘘をつくが、ここまでの大嘘はついたことがない。そもそも、そんな度胸もない。下手すれば偽証罪だ。
「よく言うやろう? 嘘も方便って。姫さんが使うとったメールアドレスがフリーアドレスやったさかい、信じてくれたで。素人目からしてもやたら忙しそうどしたし、そないに深う調べへん思いますえ」
「何その人間離れした度胸……。まぁ、そうであることを祈るよ……」
この話はここで終わり、ふたりはパンケーキを堪能してビルに帰った。
その日から1ヶ月、連は何度か警察署に足を運んだが、未亜が呼ばれることはなかった。どんな話をしていたのか聞き出そうとしても、「なんやっけ?」ととぼけられてしまい、分からずじまいだ。
結局この事件は連の笑顔に隠されたまま終わった。
「へ?」
予想すらしていなかった話に、間の抜けた声が出る。
「安田の話はめちゃくちゃやけど、ほんでも姫さんがマオって名前でデリヘル嬢しとったことははっきり言うとったみたいどす」
連の言葉が、心に重くのしかかる。今まではデリヘル嬢だった過去についてなんとも思っていなかったが、安田に襲われたことによって、薄汚れた醜い過去に成り果てた。
「そやさかい、姫さんがデリヘル嬢をしとったのは、安田の妄想ちゅうことにしときました」
「え? どうやって?」
未亜が目を見開いて聞くと、連はいたずらっ子の様に笑った。
「簡単な話どすえ。そんなんは、薬物依存症患者の作り話や言いました。警察はすんなり信じてくれましたえ」
「なんていうか、それで通っちゃう警察って……」
あっさり丸め込まれる警察に、呆れ返って言葉が出ない。
「jesterに嫌がらせのメールが来とったことについても、シャム猫せんせを存在しいひんデリヘル嬢と思い込んだ妄想に過ぎへん言うときました。姫さんが送ったメールについても、自作自演やろうって」
「うわぁ、嘘ばっか……」
未亜も時々嘘をつくが、ここまでの大嘘はついたことがない。そもそも、そんな度胸もない。下手すれば偽証罪だ。
「よく言うやろう? 嘘も方便って。姫さんが使うとったメールアドレスがフリーアドレスやったさかい、信じてくれたで。素人目からしてもやたら忙しそうどしたし、そないに深う調べへん思いますえ」
「何その人間離れした度胸……。まぁ、そうであることを祈るよ……」
この話はここで終わり、ふたりはパンケーキを堪能してビルに帰った。
その日から1ヶ月、連は何度か警察署に足を運んだが、未亜が呼ばれることはなかった。どんな話をしていたのか聞き出そうとしても、「なんやっけ?」ととぼけられてしまい、分からずじまいだ。
結局この事件は連の笑顔に隠されたまま終わった。