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好きと依存は紙一重
第3章 暗雲
「いらっしゃいませ、2名様でよろしいでしょうか?」
モスグリーンのベレー帽をかぶり、茶色のエプロンを身に着けた若い男性店員が、にこやかに話しかけてくる。未亜がうなずくと、店員は窓際の席に案内してくれた。
隣の席との間には木製のパーテーションが設置されており、造花の蔓が巻かれている。その上には小鳥やリスの模型が飾られている。
男性店員はおすすめのメニューを紹介すると、一礼して去っていった。
「初めて入ったけど、可愛いお店」
改めて店内を見回す。壁は木目調で、席の上にある照明は花の形になっており、それぞれ色が違う。ちなみに未亜達の席にあるのは、水色だ。
「にぎやかな都会に、こないに落ち着く店があるやなんて思いまへんどした。先に注文してまいまひょか」
そう言って連は、未亜の前にメニュー表を開く。女子高生達の話は本当だったらしく、パンケーキの写真が大きく載っている。
「へぇ、ヘーゼルナッツココアだって。美味しそう」
「姫さん、甘いもの食べて甘いもの飲んだら糖尿病になりますえ」
「朝からビール呑んでるアル中に言われたくないんですけど」
頬を膨らませて睨みつけると、連は苦笑した。子供扱いされているようで少し腹立たしい。
「いいもん、あとでココア飲みに来るもん。今日は紅茶といちごパンケーキにするもん」
「ええ子どすなぁ」
よしよしと頭を撫でられてしまったが、悪い気はしないのでそのままにしておく。連が一通り撫で終わると、男性店員が注文票を持ってきた。
「お決まりでしょうか?」
「アッサムのアイスといちごパンケーキ」
「アイス珈琲とチョコパンケーキを」
男性店員は注文を繰り返して確認すると、厨房へ行った。
10分もすると、注文していたものがすべて運ばれてきた。未亜はホイップをいちごにたっぷりつけると、ひと口大にカットしたパンケーキと一緒に頬張る。パンケーキはもっちりしっとりしていて、いちごも程よく甘酸っぱい。これならいくらでも食べられそうだ。
モスグリーンのベレー帽をかぶり、茶色のエプロンを身に着けた若い男性店員が、にこやかに話しかけてくる。未亜がうなずくと、店員は窓際の席に案内してくれた。
隣の席との間には木製のパーテーションが設置されており、造花の蔓が巻かれている。その上には小鳥やリスの模型が飾られている。
男性店員はおすすめのメニューを紹介すると、一礼して去っていった。
「初めて入ったけど、可愛いお店」
改めて店内を見回す。壁は木目調で、席の上にある照明は花の形になっており、それぞれ色が違う。ちなみに未亜達の席にあるのは、水色だ。
「にぎやかな都会に、こないに落ち着く店があるやなんて思いまへんどした。先に注文してまいまひょか」
そう言って連は、未亜の前にメニュー表を開く。女子高生達の話は本当だったらしく、パンケーキの写真が大きく載っている。
「へぇ、ヘーゼルナッツココアだって。美味しそう」
「姫さん、甘いもの食べて甘いもの飲んだら糖尿病になりますえ」
「朝からビール呑んでるアル中に言われたくないんですけど」
頬を膨らませて睨みつけると、連は苦笑した。子供扱いされているようで少し腹立たしい。
「いいもん、あとでココア飲みに来るもん。今日は紅茶といちごパンケーキにするもん」
「ええ子どすなぁ」
よしよしと頭を撫でられてしまったが、悪い気はしないのでそのままにしておく。連が一通り撫で終わると、男性店員が注文票を持ってきた。
「お決まりでしょうか?」
「アッサムのアイスといちごパンケーキ」
「アイス珈琲とチョコパンケーキを」
男性店員は注文を繰り返して確認すると、厨房へ行った。
10分もすると、注文していたものがすべて運ばれてきた。未亜はホイップをいちごにたっぷりつけると、ひと口大にカットしたパンケーキと一緒に頬張る。パンケーキはもっちりしっとりしていて、いちごも程よく甘酸っぱい。これならいくらでも食べられそうだ。