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第26章 広美と健治

広美が風呂から上がり、軽く酔いが回った健治とともに、宿の夕飯を食べに向かった。

高そうな懐石料理を広美は喜びながら食べ、二人の会話は盛り上がった。
二人はお腹一杯になり、部屋に戻ってきた。

「あっ、」

先に部屋に入った広美が小さな声をあげた。
健治がその声に気がつき、広美に話しかけた。

「ん？どうした？」

広美の後を追うように部屋に入った健治。
部屋には布団が二つくっついた状態で敷いてあった。
健治はおそらく広美が、並べられた布団をみて、夜の行為を想像したのだろうと解釈した。
そして健治は広美に再度声をかける。

「広美、えーと、今日、大丈夫な日か？」

健治の問いかけの真意を理解した広美。
いままで元気良く返事をしていた広美だったが、顔を赤らめて、しおらしく恥ずかしそうにコクりとうなずいた。

(やだドキドキしてきちゃった、恥ずかしいよ)