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第54章 悲しいセックス

健治は広美を怒鳴り付けるが、広美は覚悟をしているようでまったく動じ無かった。

広美は再び健治に告げる。

「健治さんじゃ、私はもう満足できないの」
「健治さん、もう無理なんだ…、だから別れてよ」

広美はハッキリとは言わなかったが、健治はそれが自分のセックスでは満足出来ないと言われている事がわかった。

健治は言葉が出なくなった。
これ以上、何を言っても無駄だと頭で理解した。

そして諦めたように健治は広美に告げた。

「あぁ、分かった」
「別れよう」
「いままで広美と一緒に居れて楽しかったよ」
「残念だけど、広美、幸せになれよ」

健治はそう言うと脱いでいた服を着て、無言のまま部屋を出ていった。

広美は健治が部屋から出ていくのを見届けると、ドアのカギをカチャリと閉め、その場に座りこんだ。

「うっ、う、健治さんごめんなさい」
「ぐすっ、こうするしかなかったのよ、ぐすっ」
「健治さん、私に幸せになれって…」
「う、う、うわーん」

広美はその場で声をあけで泣き出した。
その後も広美はその場から移動することなく、ずっと泣きじゃくっていた。

そして時間がたち、広美はベッドに移動してそのまま寝てしまった。