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不埒に淫らで背徳な恋
第6章 【守るべきものがある人生は幸福ですか?】
不貞行為は事実だから。
その事実を作ったのは他の誰でもなく私自身だ。
彼に逃げた…と言われても否定出来ない。
好きになった、本気になってしまった…など理由にならない。
裏切った事実だけが皆の頭に残ってしまうだろうし、社会的信用も失う。
それだけは死守したかった。
誰にも迷惑をかけたくなかった。
そうでしか守れなかったの。
その事だけで今は這い上がれてる。
理由言ったってキミはきっと理解してくれない。
ズルズルしてしまうくらいなら断ち切った方がお互い前に進めると思った。
勝手にそう判断して決めたことは悪いと思ってる。
でもキミは泣いて嫌だとすがるでしょ…?
私だけになって周りも見れずに真っすぐ向いてくるでしょ…?
それは違った優しさと愛し方なんだよ。
もう少し………もう少し時間をちょうだい。
きっと乗り越えれる。
そう言い聞かせてるけど、まだ鮮明にキミを覚えている。
忘れられないのは私の方だ。
ごめんね。
二度と口にはしないから、消えるまで待ってて。
キミを愛した日々が薄くなるまで。
何とも思わなくなるまであと少し。
今だけは綺麗事言わせて。