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不埒に淫らで背徳な恋
第7章 【愛欲に溺れるのは不修多羅ですか?】




まるで彼が抱きたくなる香りですって言ってるようなもん。
世の中の女性が勘違いしてこの香りだらけになったら最悪なんだけど?
マジで苦手な匂いだ。




「田中くん、企画書練り直し!本気で売る気ある?」




「い、今からですか!?」




これは田中くんと月島くんに任せた案件。
残業確定だし無理難題を突きつけている。
青ざめる二人に更に追い打ちをかける私。




「少なくとも私なら抱かれたい日にこの香水はつけない」




そう言うと真っ赤になった二人のやる気を仰いだか、その場で練り直し始めた。
他の社員たちには仕事に戻るよう促して私も少しだけ手伝う。
担当者全員巻き込んでそれから2週間。




ほのかに香るフェミニンさが実現した感じ。
幼さから大人へと変化していくような何とも説明し難いがツンとしない穏やかな香り。




何十回と繰り返してやっと出来たサンプルを持って行った最終打ち合わせ。
電話ではなく息を切らして帰って来たかと思えば二人とも私に駆け寄り笑顔で報告してきた。




「一発OK頂きました!今後とも宜しくって…!契約も継続です!!」




やっぱり任せて良かったな。
自信に満ち溢れてる。
すっごく良い顔。




「おめでとう、よく頑張ったね」




今は部下が成長していく姿を見るのが一番楽しい。
走ってきたのか、田中くんの吹き出す汗をハンカチで拭くよう手渡す。
こうしてチームを組ませてみるのも面白い化学反応が見れて先輩はより頼もしくなってくれる。




ちゃんと順序を辿って褒めて自信に繋げてあげる。




「佐久間マネージャー!」




そう呼ばれ振り返ると皆がこっちを見ていてギョッとした。
ウルウルした目が何個もある。
え、何……!?何か企んでる!?




「無事に契約も継続出来たことですし、今夜皆でパーッとしませんか!?」




「あぁ、そういうことね?良いよ」




「やったぁ!!」




じゃあ、お店探さないと。
検索かけようとしたらまだ話は終わってなかったみたいで画面を遮られた。




「えっと、みなみは〜こんなチャンス滅多にないと思うんで思いきって言っちゃって良いですか?」













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