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不埒に淫らで背徳な恋
第8章 【本能のまま乱れ咲くのは愛と呼べるでしょうか?】




息苦しいと思ったらそれは嗚咽だった。
肩から震えてる。
止めどなく流れる雫はポタポタと頬から零れ落ちた。




「ごめん、月島くん……これ以上は出来ない……無理」




ごめんなさい……ごめんなさい………




踏みこもうとして怖気づいた。
最後まで出来なかった。
自分から煽っておいて途中で投げ出すなんて。
名前を呼ばれながら違う人が脳内を駆け巡ってる。




最低な人間だ。
忘れられない……もう一生。
次こそは大丈夫…なんてどうして思ったの。
越えれるはずないのに。




なんで…?なんでなんで…?




なんで月島くんを選んじゃったの…?
どうせなら誰だかわからない行きずりの人にすれば良かった。
気分が乗らないと後腐れなく置き去りに出来たのに。




いや、きっと誰だかわからない人ならばここで無理やり強要されてたかも知れない。
ここまでしてサヨナラはないだろうってもっと酷い目にあってるかも。




でも月島くんは、こんな私を……
震えながら泣き崩れる私をそっと抱き締めてくれた。




「もういいですから……大丈夫、だから泣かないで」




嗚咽でむせ返る私の肩や背中を何度も優しく擦ってくれていた。




落ち着けるように水も用意してくれて、ジャケットを羽織らせてくれる。
ふと見ると月島くんも乱れた服をちゃんと直していた。




静かな部屋に「ごめん…」と掠れた私の声。
羽織るジャケットを握り締めるしか出来なかった。




どれくらい月島くんに身体を預けていただろう。
もう嗚咽はなくなったのにずっと髪を撫でてくれている。
顔を上げたいけど泣き晴らした顔を見られるのは躊躇する。




手の甲で拭い、熱くなった頬を冷たい指先で冷やす。




「ありがとう……帰る」




やっと絞り出した声も掠れてて聞こえにくかったかも。
すぐに立ち上がり手を貸してくれる。
一人で立てるのにどこまで甘やかしてくれるんだろう。




「送ります」




「大丈夫、タクシー拾うから」




「でも…」




「こんなんじゃ電車乗れないから」




「わかりました、僕がタクシー呼びますから乗るところまで送らせてください」











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