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不埒に淫らで背徳な恋
第8章 【本能のまま乱れ咲くのは愛と呼べるでしょうか?】

慌てて飲み込みそう答えると大笑いされた。
慣れてなくてすみません。
でも美味し過ぎて幸せいっぱいです。
カウンターで目の合う社長とも微笑んだ。
手土産まで用意されててどこまでおもてなしするんだか。
あまりにも美味しそうに食べるからだってまだ笑ってる。
「またおいでね」と大将にも言われ嬉しい。
「大事な人が出来たら連れて来るって言ってたのよ?あなたのことみたいね」と帰り際に女将さんから言われた。
ただ赤面するだけでどう返せばいいのか検討もつかなくて愛想笑いしか出来ない。
社長……そんなこと言ってたんですか?
運転する横顔に聞いてみたかったがその場では飲み込んだ。
焦ることはない。
ゆっくり始めようって社長が言ったんだ。
律儀に家の下まで送って頂いて。
ていうか、家教えちゃった。
こんな普通の賃貸マンション前に高級車は場違い過ぎる。
「今日はご馳走さまでした、本当に美味しかったです」
「うん、喜んでもらえて良かったよ」
真っすぐ見つめられてこっちが負けてしまう。
シートベルトにかけた手を握ってくるのはまだ行くな…の合図なのか。
「瑠香ちゃん……今日のところは帰る。でも次からは抑えきれるかわからない」
え……それって………
そんなこと、真顔で言わないでください。
えっと………目だけが泳ぐ。
握る手もゆっくり弄るように指を絡めてきた。
「ごめん、瑠香ちゃん相手だとゆっくり…進めないかも」
目頭を手で覆い息を吐き捨てた。
「それは…困ります…!私はゆっくりと進みたいです」
手を退けて再び見つめ合う二人。
「もし社長が急に暴走したりしたら私が止めます……怒ります」
「うん、それも良いね」
「随分と待たせてしまうかも知れません」
「うん……我慢出来るかな?」
「社長…!」
「そう呼ばれると萎える…」
わざとですよ、理性働いてもらう為。
焦りたくない。
「結構長い間、色んな意見擦り合わせてきた私たちじゃないですか」
「今の顔……本気で煽ってないの?無自覚とか、この先思いやられるな」
ギュッと握り返される手を受け入れていた。

