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不埒に淫らで背徳な恋
第10章 【不埒に淫らで背徳な愛なら許されるのでしょうか?】
「どっちと居た方が幸せなのか……よく考えてください」
鼻の先だけがくっついてる距離でこのセリフ。
自分の中の理性を掻き集めた。
必死に抑えようとした。
要らない………快くんなんか。
出来るものなら拒んでみろ……って言われてる気がした。
出来るはず………ないじゃない。
「ズルい……」
心と身体が真逆を示してる。
自ら唇を重ねて頬を濡らす。
優しく受け入れてくれるけど絡ませない。
きっと試されてる。
胸元を握り締めながら踵を下ろす。
もうこのまま離れなきゃ。
頭ではそう思うのに……
どうしてもこの手が離れない。
胸に頭を預けてしまう。
ズルいのは私だ。
涙を拭いゆっくり顔を上げたら優しく微笑んでくれてるけど、必死に不安を隠してるのがわかるから辛い。
本当はそんな顔させたいわけじゃない。
「まだ……縛りつけていいの?」
真っすぐ見つめ合って確かめる。
「はい」
「待ってて」
「信じて待ってます」
「また裏切るかも知れないのに…?」
「最後は僕を選ぶんでしょ?」
この、どこから来るのかわからない自信たっぷりなところも快くんらしい。
「うん……選ぶ」
反論出来ないんじゃなくて、早く欲しくなったから。
両手で頬を包み込んでキスをする。
今度は深く……深く絡ませて。
おあずけなんてしないで。
次は私が口内を犯してあげる。
唾液……ちょうだい。
ヤバくなる寸前で名残惜しく離れたらトロンとしてる。
「でも今日は帰る…」
「わかりました」
再び見つめ合って今度こそ離れようとした。
なのにその手で捕まる顔は解放してもらえない。
「待って……最後にもう1回」
ドアに体重預けさせられて全部持っていかれた。
私の何倍もの激しいキスに見舞われて思わず胸を叩いて中断させる。
足元にくるし息も続かないほどの破壊力。
「今のキス……忘れないでください」
熱い吐息と共にとんだ爆弾を投下された。
返事したのかどうかは正直覚えていない。
覚えているのは……快くんの温もりだけ。