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不埒に淫らで背徳な恋
第11章 【最終章 背徳没倫〜人の道から外れ、道徳に反する〜】





潤んだ瞳で懇願されても横に振って拒んだ。
手を引かれ顔が近くなる。
譲れない……みたい。
ここでまた許したら……




「サヨナラのキスだから…」




その一言に思わず顔を上げてしまった。
秒で重なる。




軽く啄まれてすぐに離れる。
吐息がまだかかるほどの至近距離で。




「瑠香からも欲しい……最後のキス、して?」




最後のキスって………どうしたらいいの?
戸惑っていたら少し笑われて。




「瑠香のいつものがいい」




お願い…と甘い声で言われ、自分自身に最後だと言い聞かせた。




ゆっくり頬に触れて重ね合わせる。




一途に愛してくれてありがとう。




幸せをたくさんありがとう。




一緒に居れなくなってごめんね。




途中で俺のこと好きだった?って聞いてきた。




「うん……好きだったよ。ねぇ、まだ終わってない…」




いつも通りのキスなら……途中で遮られたらムッとして倍にして返してた。
きっとそれを仕掛けてきたんだよね…?
だから離れた唇は私からまた重ねる。




最後の悪ノリにのるね。




離れる寸前まで熱く絡ませるから。




ごめん………ごめんね。










「見送りはいいから」と寝室でのサヨナラ。
去り行く背中に叫ばずには居られなかった。




「春樹さん…!ありがとう…ございました」




こっちを振り返らぬままヒラヒラと手を振る仕草にただただ頭が下がった。
ドアを開けたら、最後に一言耳に届く。




「俺たちが終わったからってビジネスには一切影響なんてないからな?今後とも宜しく」




顔を上げたらもう姿はなかったけど
「ありがとう…」と細い声を振り絞る。
静かな部屋に玄関ドアの開閉音が鳴り響いた。




これが、私と春樹さんの最後の夜だった。




















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