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生徒会長・朝倉美咲
第21章 学園案内図
「朝倉さんは猛獣遣いだって噂、本当ですか?」

「そ、そんなわけないじゃないですか!」



美咲の横を歩くのは現国教師の産休代理、三田勇である。
ひょろりとして頼りない印象で、中身も見かけを裏切らない人物だ。
ただ学園内では比較的若い男性なので、それだけで女子の注目度は高い。


「先生、そっちじゃありません!」
「先生、それは違います」
「先生、ダメですよ!」
「先生、三田先生!」

三田は美咲に初日からしごかれていた。
見ていると、どうしても要領が悪くて口を出さずにいられないのだ。

「先生の立場がないから、
ちょっと黙っててやれよ」
と卓巳に忠告されるほどだ。

昔から美咲にうるさく言われ続けた卓巳は三田にシンパシーを感じているようだった。



「おう、朝倉ちょうど良かった。手伝ってくれ」

生徒指導室前で、葛巻に呼び止められる。

「あ、僕なら大丈夫です」
あからさまにホッとした顔で美咲を差し出すと、三田はそそくさと立ち去った。

「ひひひひ…お前、嫌われてんじゃねぇか?」



美咲が"猛獣遣い"と呼ばれるようになったのは、最近葛巻が女生徒にセクハラをしなくなったからである。
美咲の抗議活動の成果だと思われているが、実は違う。
ちまちまセクハラをしなくても、美咲の身体で充分葛巻の欲求が満たされるからだ。


「よし、ちゃんと膝上ソックスを履いてきたな」

礼子に言わせると、葛巻は
【ソックスフェチ】らしい。


「さてと、今日はどこでハメてほしい?」

美咲の肩を抱き、葛巻が囁いた。
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